今回の工事では、原木で約1,500本以上もの丸太を構造材や仕上げ材として加工し、
その量製品数量では約300m3にもなります。
そのほとんどが今年の1,2月頃に町内上雷地区と尾刺地区の山で伐採された杉を使用します。
上雷地区伐採後(6月上旬撮影)
尾刺地区伐採後(6月上旬撮影)
伐採後は、長さ約3.7mに切りそろえられた原木を町内中ノ川にある製材工場にて
園舎の骨格部分となる柱や梁に使用される集成材という加工材料の構成部材となる
ラミナ(挽き板)に製材されます。
集成材とは、厚さ3cm、幅12cmほどのラミナを重ね合わせて接着剤でくっつけた材料で、
例えば高さが15cmの梁を製作する場合は、3cmの板材を5枚重ねてくっつけて15cmの梁を
作ります。
下のイメージ図で赤色の部分が接着剤でくっつける箇所です。
短いラミナを縦方向に継ぐために、縦方向にギザギザに切り込みを入れて接着剤で
くっつけます。
ちょうど指と指を合わせるように継ぎますので、フィンガージョイントという名前が
ついております。
集成材は、無垢材と比べて強度が強く、歪み等も出づらく安定した品質も期待ができ、
断面の大きい部材も揃えやすいのが特徴です。
下の写真は、原木からラミナを作る様子を撮影したものです。
原木の皮剥き作業の様子
原木の引割り作業の様子
完成したラミナ
園舎で使用する集成材は、大きさにより留辺蘂と八雲の2箇所の集成材工場で
製作され、町内製材工場で作られたラミナは、主に留辺蘂の集成材工場に納入され
全体数量の約70%ほどになります。
次に(株)ハルキさんの八雲工場で実際に集成材が作られている様子をご紹介します。
こちらの工場では梁高さ45cm、長さ6mまでが製作可能で、今回工事で使用する集成材の
約3割程度を製作しました。
この機械は、ラミナの含水率を瞬時に4ヵ所測定し、上限値である10%以上である
ラミナは製品レーンから外されます。
この機械は、ラミナの表面4面を一度にプレーナー掛けする機械で、プレーナー掛け
とは、板の表面のざらざらをかんなで削る作業になります。
この機械は、先ほど説明をしたフィンガージョイントに加工する機械です。
この機械は、ラミナに接着剤をかける機械で、ラミナがノズルの下を通る時に
接着剤が自動噴射されます。
この機械がプレス機で、ラミナに接着剤を噴射した後、圧力を掛けて接着させる
機械になり、この機械の幅が6mなのでイコール製作可能長さも6mとなります。
実際ラミナに掛ける圧力はと言うと、10cm×10cm角で約12tを40分間掛け続けて
圧着させます。
これが出来立てほやほやの集成材です。
プレスをした時に接着剤がはみ出ています。
こちらの材種はとど松で、ラミナ15枚を圧着したものなので、3cm×15枚で
高さ45cmの梁になります。
このあとは最終仕上げとして、横にはみ出た接着剤を削り落とすのに、再度プレーナー
掛けをして完成です。
完成した集成材は、実際に現場で組み立てが出来るように穴を開けたり、金物を取り付け
られるように溝を掘るプレカット加工を行いますが、これについては次回ご紹介致します。
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